一方、ドバイでは

一方、ドバイでは

イラク系アメリカ人のドバイファッションビジネス

アラブ首長国連邦ドバイ — フーダ・ビューティー本社には、キラキラ輝く装飾品が溢れていると言っても過言ではない。ヒマラヤ岩塩のようなピンクのクリスタルランプや、ラインストーンがちりばめられた小物(口紅、スティレットヒール、実物大のアイスクリームコーンなど、ありとあらゆるもの)を、数歩歩けば必ずと言っていいほど目にする。

そして唇。何よりも、創業者で最高経営責任者(CEO)兼会長のフーダ・カッタン氏の唇への愛着が、砂漠の都市ドバイのそびえ立つ高層ビルの21階と24階に広がる22,628平方フィートのオフィスに反映されている。唇は、トイレのドアのサインにもなり、電話や名刺の形にもなっている。1990年代風の唇型の電話がいたるところにある。フクシア、メタリックホットピンク、赤、銀色の電話 ― ラッカー仕上げまたはキラキラ輝く ― がテーブルの上、棚の上、机の列の端に置かれている。どれも機能していないが、それは問題ではない。カッタン氏は世界で最も有名な美容インフルエンサーから起業家に転身した人物であり、彼女がルックスを重視しているのは明らかだ。

彼女はオフィスのデスクに腰掛けている。製品開発の会議からドレスのフィッティングまで、彼女はそこであらゆることをこなしている。そこは彼女にとって聖域であり、バスルーム、パウダールーム、シャワーが完備されている。さらに、ミラーボール、ピンクのガムボールマシン、ティアラ、ハローキティのアクセサリーで覆われた特大の椅子、特大の虹色に輝くルイ・ヴィトンのスピーディバッグとPVC製のヴェルサーチのトートバッグが散らばったソファ、そしてプラスチックや大理石のカップに収められた、ふわふわのピンクのメイクブラシが何十本も。中にはバラの形に切り抜かれたピンクのものもある。カッタンがあの有名なマテル人形の生き写しを演じている様子は、まるでバービーの夢の家が爆発したかのようだ。つまり、もしバービーがイラク系アメリカ人で、超金持ちで、高級品に夢中で、急成長する美容帝国を経営していたら…。

HUDA_BOF_AllyssaHeuze_newHD-2-copy1-e1556055632469-819x1024.jpg

続きを読む