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2017年には、1億9,300万人が初めてインターネットにアクセスしました。その多くは50ドル未満のスマートフォンでインターネットに接続し、急速に低下するデータ通信料と拡大し続けるネットワークカバレッジを活用しました。テクノロジー企業は現在、世界中のユーザーに合わせて製品をカスタマイズしています。そして2019年には、ウェブは、本来繋がるために構築されたグローバル社会と同様に、多様で複雑なものになるでしょう。
その影響は甚大なものとなるでしょう。2019年には、教育、富、そして正義の不平等な分配を無視することは不可能になるでしょう。富裕層と貧困層は、残りの半分の人々の生活をより深く知ることになり、恵まれない人々の不満を募らせ、恵まれた人々が現実を知らずに生きることを困難にすることになるでしょう。
これを受けて、オンライン教育を最も必要とする人々へのアクセス拡大に特化した取り組みがますます増えていくでしょう。CourseraやedXといったeラーニングプラットフォームは確かに開発途上国からの学生を惹きつけていますが、彼らの約80%は既に大学の学位を取得しています。次のステップは、より低い学歴を持つ学生を支援することです。これは、インドのデジタル・エンパワーメント財団のような取り組みの目標です。同財団は、Gyanpediaプロジェクトを通じて農村地域にeラーニングを導入しています。2019年には、このようなプログラムが開発途上国全体に広がるでしょう。
真にグローバルなウェブは、誰もが起業しやすくなるでしょう。Kivaのような企業は既に、オンライン融資業者が80カ国以上の起業家に低金利融資を提供することを容易にしています。今後さらに多くのプラットフォームがこれに加わり、恵まれた人々が、資金やアドバイスが容易に得られない地域の人々を支援できるようになるでしょう。
インターネットアクセスの向上が政治に与える影響は、既に目にしてきました。10年前、アラブの春の際には、ソーシャルメディアがコミュニティを動員する上で大きな役割を果たしました。今ではその手段は変化しましたが、その可能性は依然として残っています。TelegramとWhatsAppは、革命家たちの新たな拠点となっています。来年は、人々がウェブを活用して、実際に何が起こっているのか、そして変化をもたらすためにどのような行動をとれるのかを知るようになるにつれ、これまで分断されていた地域で、さらなる政治的混乱が見られるでしょう。
現在インターネットに接続されていない地域にインターネットを提供することは、19世紀の大陸横断鉄道の21世紀版と言えるでしょう。当時、大陸横断鉄道は人々や場所をかつてない方法で結びつけました。その基盤となるのは電力と接続性です。ケニアに拠点を置くM-Kopaや英国のBBBOXといった企業は、アフリカの電力網が未整備の地域に従量制の太陽光発電エネルギーを供給しています。SpaceXプロジェクトのStarlink、Alphabet傘下のLoon、そして私の会社BuffaloGridは、様々な方法で接続性を提供する方法を開発しています。Starlinkの場合は宇宙からの接続です。この分野は2019年も成長を続けるでしょう。
四半世紀以上もインターネットに接続してきた私たちは、インターネットアクセスが人々の生活をどのように変えるかを目の当たりにしてきました。しかし同時に、インターネット接続が誤情報の拡散や世論操作に利用されるのも見てきました。世界中の人々がインターネットを利用できる環境を目指していく中で、今、私たちが直面している課題は、これまでの経験を活かし、誰もが安心して利用できるインターネットを実現することです。
ダニエル・ベセラはバッファローグリッドのCEOです。
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この記事はWIRED UKで最初に公開されました。