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世界史上最高のポッドキャスト(現時点では、私の意見ですが、人によって評価は異なるかもしれません)は、 「ジャズの歴史」という宣言的なタイトルです。「レコードを1枚ずつ」という非公式なサブタイトルがその天才性を暗示しています。このポッドキャストは慌ただしい展開ではありません。近年忘れ去られつつあるインターネットの特性、つまり並外れた、執拗なまでの深みを巧みに活用しています。
『ジャズの歴史』は10話まで進みましたが、まだ1919年までしか遡っていません。ようやく「ジャズ」として一般的に理解されているものが生まれた段階に至ったと言えるでしょう。この微細な焦点によって、興味深い細部に迫ることができます。例えば、ジーグフェルドの『ミッドナイト・フロリック』の観客には小さな「拍手ハンマー」が配られ、テーブルを叩いて拍手喝采の印として使われていたことや、ジャズのパイオニアであるジェームズ・リース・ヨーロッパとフォード・T・ダブニーがあまりにも多作だったため、出版社が彼らの楽曲をエポルエとイェンバッドの作品として出版し、少し変化をつけていたことなどです。
哲学史からも、同じように途切れることなく熱心に焦点を絞った講義が聞けます。(約300話。まだ15世紀まで到達していません。)この人たちの力には脱帽です。タイトルの明快さが、読者を圧倒します。集中力のなさや、羅列ばかりのインターネットから、さあ、出かけましょう。
あるいは、 The Allusionist (言語に関するポッドキャスト)があります。こちらは、それほど徹底的な分析はしていないものの、広大なテーマを並外れた正確さと極端な拡大解釈で探求することには、同様に意欲的です。最新エピソードのタイトルは「Triumph/Trumpet/Top/Fart」です。彼らが議論しているのはどの単語か、そして現在のアメリカ合衆国大統領は誰か、当ててみてください。
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こういったポッドキャストを見ると、綿密に調査されたリンク集が素晴らしい目新しいものだった時代を思い出します。オンライン博物館博物館が「再利用されたジョイスティックのアーカイブ」やスティーブン・ヒルの「映画タイトルスクリーン博物館」(最終更新日:2011年11月7日)といった逸品を提供していた時代です。まさに私が求めているのは、まさにそれです。たとえ7年間更新されていなくても、収益化できない情熱を保存できる、余裕のある場所。
今の私のお気に入りは、文房具店のTwitterフィード「@presentcorrect」です。アンドレ・ビセンテ・ゴンサルベスの世界各地の窓アーカイブや、旧東ドイツの広告が満載のTumblrなど、定期的に楽しいコンテンツを提供してくれます。
ポッドキャストにこうした深淵なるディテールが生まれつつあることは喜ばしいことです。ポッドキャストは2004年から存在しています。表面的な情報やスケール感にとらわれない、こうした質の探求こそが、成熟したデジタルメディアの真髄なのかもしれません。Snapchatの「Deep Twitter」や「ローマ帝国衰亡史」が楽しみです。
この記事はWIRED UKで最初に公開されました。