Ratio Eightシリーズ2コーヒーメーカーをチラ見してきました。なんて美しいんでしょう
Ratio の新しいコーヒーメーカーは、プラスチックを避けておいしいコーヒーを作る高級マシンです。

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ポートランドに拠点を置くRatio社のコーヒーメーカーへの愛は、10年前にRatio Eightモデルが発売されて以来、隠すことはありません。実際、WIREDが世界で最も気に入っているドリップコーヒーメーカーのうち2つは、Ratio社製です。
ポートランドのこの会社は、サードウェーブ・バリスタの繊細なプアオーバー技術を自動ドリップコーヒーと融合させ、私がこれまで味わった中で最もコクがあり香り高いコーヒーを生み出すことに誰にも劣らない。味わうには、ボタンを一つ押すだけでいい。マシンがやってくれるのであって、私がやる必要はない。Ratio Four(8/10、WIRED推奨)は、誰が、どこで作ったとしても、私のお気に入りのシングルサーブ・ドリップコーヒーメーカーだ。まさにシンプルさの極みだ。
しかし、すべては10年前、Ratio Eightから始まりました。Ratio Eightは、バリスタカフェのドリップコーヒーメーカーを取り巻く美学と多くの技術を採用し、地元で切り出された木材とChemexスタイルのドリップコーヒーメーカーの美しい曲線を使用して、家庭用のドリップコーヒーメーカーの可能性についての議論を変えるのに貢献しました。

写真:マシュー・コルフハージ
さて、Ratio Eightが生まれ変わりました。Ratio Eightがインスピレーションの源となったドリップコーヒーの新しい世界に向けて、Ratio Eightは生まれ変わりました。Ratio Eightは、これまでにRatioが開発してきた様々なコーヒーメーカー(そしてまだ発売されていないものも含め)からインスピレーションを得ています。9月に発売予定の8カップ対応のRatio Eightシリーズ2は、Ratioのウェブサイトで先行販売中です。
期間限定で、予約注文は639ドルまで割引されています。しかし、Eight Series 2が9月に正式に発売されると、価格は799ドルまで跳ね上がります。これは、私が知る限り、ドリップ式やハンドドリップ式のコーヒーメーカーとしては最高価格帯です。
それだけの価値があるのでしょうか? 今週、予約開始直前にRatioのオフィスで新しいRatio Eight Series 2を試すことができました。見た目にも大変感動しましたが、味にはさらに感動しました。自宅で実際に使ってみるまでは、全てが分かりませんが、淹れたコーヒーはコクがあり、風味豊かで、とても美味しかったです。それに、本当に美しいマシンです。
これから発売されるRatio Eight Series 2の仕様と、このデバイスを試用した私の初期の感想をご紹介します。
Ratio提供
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比率
エイトシリーズ2コーヒーメーカー
Ratio Eight シリーズ 2 設計仕様
| 仕様 | |
|---|---|
| タイプ | 自動ドリップ/プアオーバー |
| 容量 | 40オンス/8カップ |
| 寸法(長さ x 幅 x 高さ) | 13.5インチ×9インチ×14インチ |
| 重さ | 10ポンド |
| 材料 | BPAフリーの水タンク、ホウケイ酸ガラス製の給水管、シリコン製の接続部とヒートシールド、マットなポリマー製のベース、ウォールナットのトリム、ステンレス製の醸造室と貯水シュート |
| 互換性のあるフィルター | 平底紙フィルターまたはAble Basketステンレスフィルター |
| カラフェ | 吹きガラスのカラフェまたはステンレススチールのサーマルカラフェ |
| 力 | 1,400ワット |
| コード | 39インチ、取り外し可能 |
| 保証 | 5年 |
より安定したコーヒーのために再設計
オリジナルのRatio Eightのファンなら、まずはその美しさに魅了されたのではないでしょうか。ウォールナット材のアクセント、そして吹きガラスの美しい砂時計型のカラフェ、そしてカフェ・プアオーバーでお馴染みの円錐形の抽出フィルター。
頑丈なウォールナットのトリムはそのまま残されました。しかし、Ratioの創業者兼CEOであるマーク・ヘルウェグ氏は、今月行われたEightのデザイナーであるジェームズ・オーウェン氏も参加したミーティングで、オリジナルのEightを開発して以来、Ratioはいくつかのことを学んだと述べました。Ratioが学んだことの一つは、密閉された平底の抽出室を使うことで、円錐形のガラス製よりもずっと安定したコーヒーが作れるということです。水流と抽出温度の両方のコントロールが容易で、超高価なグラインダーを持っていなくても、より安定した仕上がりになります。(とはいえ、私たちは高価なグラインダーが好きで、いくつかおすすめしていることは承知しています。)
「一度平らになったとき、私たちは『これが正しい道だ』と気づいた」とヘルウェグ氏は語った。
正直に言うと、あの美しいガラスカラフェは、見た目だけでも寂しくなります。ヘルウェグ社は、Chemexスタイルのカラフェはオプションとして引き続き製造すると明言しています。しかし、シリーズ2は、過去の名残として砂時計型の形状は残しつつも、基本的には見た目が大きく変わります。
代わりに、新しい抽出バスケットには、Ratioが私のお気に入りのコーヒーメーカー2台、Ratio FourとRatio Six Series 2の開発時に開発した技術が採用されています。これらのコーヒーメーカーは、自宅で使うといつも魔法のトリックのように感じられるほどです。テストしたコーヒーメーカーは、新しい使い道を見つけることがよくあります。Ratioのコーヒーメーカーは今でも大切に保管しています。自動ドリップやハンドドリップで、これほどコクがあり、均一に濃い抽出を実現しながら、これほどシンプルなRatioのコーヒーメーカーは他にほとんどありません。

写真:マシュー・コルフハージ
カフェのドリップコーヒーのような味わい
レシオ抽出法は、サードウェーブカフェのバリスタと従来のドリップマシンの中間的な手法です。まず、「ブルーム」と呼ばれる抽出工程があります。これは、少量のお湯でコーヒー粉を抽出前に浸すという詩的な表現です。この工程により、新鮮な豆に閉じ込められた二酸化炭素が放出されます。二酸化炭素は、お湯が本格的に流れ始めた際に抽出を妨げてしまいます。
カフェ・プアオーバーコーヒーの風味をこれほどまでに引き出すもう一つの要素は、攪拌です。つまり、コーヒーに水を垂らしたり、シェイクしたり、回したりすると、コーヒーの持つ秘密がよりよく解き放たれます。まるで尋問対象を揺さぶるようなものです。(実は、よく考えてみると、これはやめた方がいいんです。)
Ratioの創業当初からの信号技術の一つに、「フィボナッチに着想を得た」スパイラルシャワーヘッドがあります。この形状と数学は、節水効果を高める手段としてしばしば称賛されています。Eight Series 2でヘルウェグ氏がRatioのポートランド本社で一杯淹れた際、この技術によって抽出された水は抽出バスケット全体に均一に広がり、水の流れが目立たなくなりました。そのため、滴り落ちる水滴によって、より速く、より均一に抽出されるのです。

写真:マシュー・コルフハージ
より正確な温度制御
温度制御はより興味深く複雑な話題です。Ratioは、抽出プロセス全体を通して温度を4℃(摂氏)以内に保つことなど、非常に厳格な基準を遵守していることが国際スペシャルティコーヒー協会によって認定されている数少ないコーヒーメーカーメーカーの一つです。
しかし、これだけでは全体像は分かりません。私の経験から言えるのは、SCA認証のコーヒーメーカーが全て美味しいコーヒーを淹れられるわけではないということです。そして、認証されていないコーヒーメーカーでも美味しいコーヒーが淹れられることは間違いありません。Ratioは、抽出中の温度カーブを調整するために、ファームウェアを高度に調整しています。最高執行責任者(COO)のブラッドリー・ウォルフッド氏は、興奮気味に「文字通り山ほどのテストとファームウェアアップデート」と表現しました。
Eightでは、加熱要素の働きを変えるためにワット数を調整しています。Ratio Eight Series 2は1,400ワットのデバイスですが、意図的に常に全電力を使用するのではなく、消費電力を調整することで加熱要素の働きを時間の経過とともに変化させ、最高の味のコーヒーを淹れることができます。
Ratio の以前の Four と同様に、Eight Series 2 には少量と大量のコーヒー用の 2 つの異なる抽出モードがあり、温度曲線をさらに改良して最適な範囲に保ちます。
プラスチックとの接触を最小限に抑える

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エイトの最大のセールスポイントの一つは、常にプラスチックの使用量を最小限に抑えることでした。マイクロプラスチックに関する新たな、そして恐ろしい事実が毎週のように発表される昨今、あらゆるものをプラスチックフリーにすることに大きな関心が集まっています。
しかし、完全にプラスチックフリーの自動コーヒーマシンを作るのは難しく、非常に高価です。プラスチックフリーの抽出はいわば聖杯のようなもので、フレンチプレス、モカポット、ドリップコーヒーといった、はるかに古くて低技術な方法で実現されていることが多いのです。
Eightシリーズ2は、他の全自動ドリップマシンと比べても、この目標に最も近い製品です。冷水タンクはBPAフリーのTritanコポリマー製で、ベースもポリマー製です。また、熱湯に触れない加熱部分には、BPAフリーのプラスチックが少し使用されているとヘルウェグ氏は言います。
しかし、デバイス内部のチューブはガラス製です。パイプコネクタはシリコン製です。シャーシと抽出バスケットはステンレススチール製です。保温カラフェはステンレススチール製、非保温カラフェはホウケイ酸ガラス製です。つまり、加熱された水やコーヒーがプラスチックに触れることはありません。
これには、Eightの各パーツに心地よい重量感を与えるという副次的な効果もある。「これを見て」とヘルウェグは誇らしげに言い、ストレス解消グッズとしても使える小さくて重い鉄片を私に手渡した。それは貯水タンクの蓋だった。この蓋の重さは実に心地よかった。プラスチックは、鋳物の確かな堅牢さを忘れさせてくれる。こうした高価な素材は、もちろん価格にも反映されている。
でもかなり高価
予約販売期間中は予想小売価格からかなり大幅な割引が適用されますが、それでも決して安くはありません。Eight Series 2の予約販売価格は639ドル、9月の予想小売価格は799ドルで、これは市場に出回っているドリップコーヒーマシンの中でも最高価格帯です。また、RatioのSixとFourの2倍の価格です。
コーヒーだけでこの高価格に見合う価値があるだろうか?美味しいカラフェ一杯分だけでは判断が難しい。それは、並べてテストしてみることで、時間をかけて学んでいくしかない。Ratio Sixと比較すると、Eight Series 2は同じく40オンスの抽出量だが、いくつかの新しいプログラミングとテクノロジーが搭載されている。例えば、20オンス以下の少量抽出向けに抽出プログラムを最適化する機能などだ。
しかし、多くの高級品と同様に、コストの大部分は高級品、つまり無形資産、スタイル、愛らしさ、そしてもちろん高価な素材にかかっている可能性が高い。Eight Series 2の場合、これらのコストは、Ratioがプラスチックを回避するために採用した二重壁のステンレススチール、ホウケイ酸ガラスのチューブ、アメリカ産ウォールナット材といった対策に大きく関係している。ステンレススチール製の新しいサーマルカラフェは、頑丈で美しい。
Ratioのオーナーとデザイナーは、関税をめぐる不安定さも挙げており、これは6ヶ月後に初めて適用される価格発表の要因の一つとなることはほぼ間違いない。Eight Series 2は、米国の中小企業の多くの製品と同様に、中国で製造されている。これは、米国の工場が少量生産向けのカスタムツールに対応できないためだ。
言えることはただ一つ、見た目が美しく、美味しいコーヒーが淹れられ、手に持った感触も、価格に見合ったものだということです。色々なものが急に値上がりしたこの年に、まさにその価値を感じます。Ratioを使った経験から言うと、Eight Series 2は、ボタン一つで淹れられるドリップコーヒーの中で、おそらく最高の味の一杯になるでしょう。