これは、犯罪やテロと闘う公的機関は、私たちの利益のために、私たちのプライベートな通信にアクセスする必要があるという、古くからある議論に新しい名前を付けたものだ。

レオン・エドラー
n .政府が令状を取得した場合に、テキストを解読し、携帯電話のロックを解除できるようにする提案
ロッド・ローゼンスタイン米国司法副長官が提唱した「責任ある暗号化」とは、犯罪やテロと闘う公的機関は、私たちの利益のために、私たちのプライベートな通信にアクセスする必要があるという、古くからある議論に新たな名称をつけたものだ。2016年、カリフォルニア州サンバーナーディーノで起きた銃乱射事件で犯人が使用したiPhoneのロックを解除するよう求める裁判所命令にアップルは従わなかった。リバタリアン(自由至上主義者)たちは歓声を上げたが、アップルにとっては悪い印象を与えた。その後、大手IT企業は、自分たち自身では解読できないエンドツーエンドの暗号化を採用し始めた(だから、詳しくは聞かないでくれ!)。11月には、FBIがテキサス州の教会銃乱射事件の犯人デビン・ケリーの携帯電話を開通させることができなかったと発表した。
ローゼンスタイン氏のブランド再構築の取り組みは、ワシントンとシリコンバレーの間で繰り広げられる言葉遊びにおける新たな一手だ。技術系の専門家たちは、責任ある暗号化は「二重表現」であり、連邦政府に強力な新たな監視ツールを与え、ハッカーが悪用できるネットワークの「裏口」を作り出すことになると指摘する。ローゼンスタイン氏は、企業による「闇に消える」動きは自己満足に過ぎず、ジハード主義者や児童性的虐待者が活動できる「無法地帯」を作り出すものだと指摘する。確かなことが一つある。この問題は婉曲表現では解決できないということだ。
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